さぽろぐ

日記・一般  |札幌市北区

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2009年01月16日

診療所医師 中村伸一さん

去る13日にNHKテレビの「プロフェッショナル 仕事の流儀」に福井県おおい町名田庄地区の診療所医師 中村伸一さんが登場しました。65歳以上の高齢者が3割を超えるこの地で15年間地域医療に携わってこられた中村さんの生き方に深い感銘を受けました。

病ではなく人を診る
 ・病気を治すことだけが全てという点の治療ではなく、患者さんの人生に寄り添って予防から
  診断、治療、リハビリ、看取りまで幅広く線の治療をする。
 ・患者さんの生き甲斐、趣味、家族といった日常の生活に共感し大事にする。
  例えば、診療所に膝が痛いと診察に来たお年よりはグランドゴルフを生き甲斐にしていた。膝
  痛という点だけ見ればゴルフを止めさせるが、痛み止めを打ってゴルフを続けてもらった。

 そのために
 ・総合医として診れる専門分野を増やす。内視鏡による診断と初期の処置まで行う。
 ・訪問診療
 ・手書きの電子カルテに病状だけでなく、趣味や性格まで記入しコミュニケーション等で活用。
 ・近隣の医療機関、介護師、保健師、行政と連携し患者と家族を総合的に支援する。

 その結果
 ・地域の人は「先生を頼りにしている」、医師は「患者さんは先生だ」とお互いに信頼している。
  患者さんも家族も実に穏やかな表情をしていた。
 ・自宅で最後を迎える人は4割で、全国平均の3倍。
  末期の癌患者が臨終のとき、「最後まで家にいられて幸せな人生だった、お前も中村先生に
  看取られて死ねよ」という言葉を看病し続けた妻にかけたという。
 
誰にでもある、お互い様だ
 前兆が非典型であったために危険な病気だと見抜けなかったことに責任を感じて家族にわび
 た、医師を辞めようとさえ思ったが、家族から「誰にでもある、お互い様だ」と攻めようともせず
 気遣ってくれた。助け合って暮らしてきた人達に備わっている心の広さに救われ、地域の人達
 に育てられていることを実感し地域医療に専念する決断をした。

プロフェッショナルとは
 逃げられない困難な状況にあってもそれを宿命として受け入れる。なおかつ、時として、それを
 プラス思考にして楽しんでいく。そういうことが出来るのがプロフェッショナルじゃないでしょうか

さいごに
 お互い様が通用する心豊かな人間関係が残っている名田庄地区は、忘れかけていた大事なこ
 とを再認識させてくれました。一人でも多くの若い医師が中村モデルのような地域医療を目指さ
 れることを願います。

    


Posted by 中嶋 at 21:11Comments(0)中嶋