さぽろぐ

日記・一般  |札幌市北区

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2012年01月30日

座談会ー東日本大震災に思う

一昨日、大学時代のサークル卒業生の会の主催で標記の座談会が開かれました。サークルは来年で創立50周年を向かえるので、卒業生はいろいろな専門分野で活躍しています。座談会はそういった経験をじっくり聞き、交友の絆を深め好奇心をいつまでも持ち続けたいという趣旨で昨年から始まりました。今回は岡田弘北大名誉教授が「自然だからと、あきらめてはいませんか?」という題目でお話をされました。貴重な話が聞けるというので、東京から駆けつけてきた人や友達を誘ってきた人も含めて26名が参加しました。

地震と火山の専門家として昨年の東日本大震災を検証されました。
本当に「想定外」だったのかという面から切り込み、環太平洋では過去100年間にマグニチュード9以上が6回目になる、2004年のインド洋津波、1896年の明治三陸地震など、日本が地球の活動帯に位置していることから「起こりえる」と想定できる。さらに中央防災会議は2006年に連動型大地震を三箇所で想定していた。

次に、犠牲者をもっと減らせなかったかという面から、津波情報が出された経過を説明された。岩手沖の東大の海底津波計は海面の異常な上昇を捉えていた。海岸では2~3倍に増幅されるので、この時点で最大警告が可能だった。津波防波堤が守ってくれる、避難警報が出されても外れることが多かった、ハザードマップ上の安全な地域にいる、などにより避難行動が遅れた。自衛隊や民間の航空機を迅速かつ的確に利用して被災把握と救助・救援をする必要があった。

最後に、なぜ多くの災害弱者が助かったかという面から、子どもたちへの防災教育が生かされたことについて触れられた。日頃からの訓練、想定にとらわれないでその場で出来る最善の方法を自主的に判断し、率先して避難したことで、周りの人達もついてきた。自分たちだけでなく親や周りの人達も救うことになった。群馬大学大学院教授の片田敏孝氏が釜石の小中学校で先生たちと協力して取り組んできたことが生かされた。津波に備えるのは当たり前という安全文化を地域社会に築き根付かせることが必要だ。

岡田さんは豊富なデータと分析結果やマスコミなどの記事も使って分かりやすく熱く説明してくれました。2、3日でも話せると云うぐらい映像も含めてパソコンには貴重なデータが一杯入っているようです。災害から学び、次に起きる災害に備え、行動することの必要性を防災の専門家、国、自治体、学校・職場・町内会、家族などが一体となって再認識しましょう。  


Posted by 中嶋 at 17:54Comments(0)中嶋