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日記・一般  |札幌市北区

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2013年06月17日

美術、演劇にも造詣が深い作曲家の作品コンサートの案内

 美術、演劇にも造詣が深い合唱指導者で作曲家でもある木内宏治さんが創作・編曲した作品を集めた演奏会が6月29日の18:00から札幌サンプラザホール(北24条西5丁目)で開かれる。
木内さんはこれまで300曲以上の創作曲・編曲を残しているが、今回は木内さんが合唱指導していたサークル・合唱団の9団体と全道の合唱団による合同で20曲演奏される。

 合同演奏で最も力を入れているのは合唱組曲「襟裳の森の物語」。木内さんの音楽家としての集大成といえる作品で、ムックリ、チェロ、ピアノ、役者による朗読、子供を含む混声合唱からなる大曲です。緑豊かな森と昆布や魚が豊富な海に囲まれている襟裳岬の東部にある百人浜は60年前「襟裳砂漠」と呼ばれていたのはご存知ですか。木内さんは現地調査に行き植林事業に関わった昆布漁師の飯田常雄さんの話を聞いたり、人工林を歩いたときの感動を1年かけて作品に仕上げた。壮大な植林事業が歴史絵巻を見るような歌物語となっている。
 序章は、「ブーンブーン」というムックリの響きで始まる。300年ほど前はアイヌ民族が豊かな森と海の恵みを受けて穏やかに暮らしていた光景が伺える。その海の幸を求めて道外から大勢の人たちがやって来た。
 第一章は、昆布や魚が海に溢れていた様子を北海道民謡の「北海タント節」をモチーフにしてダイナミックに歌う。
 第二章は、道外から来た人たちは冬の暖房用に森林伐採し根絶やしになったため魚も採れなくなり、シマフクロウが生息困難になった人間の愚かさを訴える。
 第三章は、やがて森は木も草も生えない「襟裳砂漠」になった。そこに雨が降り、風が吹くと川は溢れ濁流となって海になだれこみ、森も海も死に人は去って行った。その哀愁をチェロが奏でる。
 第四章は、元の豊かな森と海を取り戻すために植林事業が始まった。ところが強風で苗木は吹き飛ばされるので、雑海草を敷いた下に草の種を撒いた。草の間に苗木を植えて根付かせる、その試行錯誤が続いた。子供たちの元気いっぱいの歌声も加わって、明るい未来に向けての植林作業の取り組みを歌う。
 終章は、執念のような営みが実り、美しい緑の森が蘇り、鳥たちも帰ってきた喜びと誇りを讃える。

 合唱をやっている人達には、こんな合唱もあることを聴いて体感してもらいたい。合唱をやっていない人たちには、ドラマチックな演奏を楽しんでもらいたい。
他にも愉快な演奏もあります。目と耳で楽しんでもらえれば嬉しいです。なお、チケット代は大人が千円、中高生は五百円です。お待ちしています。
  


Posted by 中嶋 at 16:44Comments(0)中嶋