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2010年01月11日

NHKプロフェッショナル仕事の流儀 金子美登

去る5日、NHKテレビで標記の番組を見ました。副題は「命の農場で、土に生きる」。
金子さんは埼玉県小川町で40年にわたり有機農業を貫いています。農薬や化学肥料を一切使わず、身近に存在する落葉、牛糞、鶏糞、生ごみ等を利用した堆肥、家畜の糞尿や生ごみ等を醗酵させて液肥や燃料となるメタンガスを自前で作っています。その堆肥で作られた微生物が充満している土を作るには5年、10年かかるそうです。病害虫から農作物を守るために天敵も利用しています。例えば、イチゴはニンニクやネギと交互に植えています。ニンニクやネギの根に繁殖する拮抗菌がイチゴを病気から守るそうです。田んぼにはアイガモを放して雑草の繁殖を防いだり虫を食べてもらいます。その他にも様々な工夫をして自然の摂理を促し生命力の強い作物を育てています。金子さんが愛情を込めて作られた作物は安心安全なだけでなく作物本来の味がするそうです。食べている人の幸せそうな顔がそのことを物語っています。

有機農業の先駆者として様々な苦労もしてきました。周りの農家からは「変わっている」と思われたり、市場に出しても規格外のものは買い叩かれたりしたので、自分で理解者を探して販路を開拓しました。
有機農業を続けてきた原動力は、効率のみ重視した農業や酪農は家畜や人間を含む生態系によくないという問題意識を強くもっていたことだと思いました。金子さんは、自然は完全にコントロールできないものなので、それと戦うのではなく、ベストを尽くして我慢する忍耐力が必要だと云います。困難な状況であればあるほど、新たな工夫や技を試せる楽しみがあるとも云っています。

金子さんの有機農業によって、蛍や小動物が見られるようになりました。田畑、家畜、生活の中から出たものが無駄なく有機的に循環しています。その農法を学ぼうと研修生や見学者が国内外から集って来ています。地元の農家も有機農業に取り組むようになりました。
金子さんと契約している世帯の中には、収穫時期に金子さんの農場にやって来て、たわわに実っている野菜を見て、受け取って帰るのを楽しみにしている人もいます。生産者と消費者という関係を超えた人と人の繫がりがあります。

金子さんのような有機農業が全国に普及し、食の安全や環境問題などを解決してもらいたいと思いました。小さくても地に足が着いた本当の喜びや楽しさが感じられました。

なお、研修生が金子さんの農場のホームページ「霜里農場」を公開しています。


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Posted by 中嶋 at 00:23│Comments(0)中嶋
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