さぽろぐ

日記・一般  |札幌市北区

ログインヘルプ


2010年12月08日

岡田弘北大名誉教授の自伝

北海道新聞の夕刊の「私のなかの歴史」に11月18日まで17回にわたって岡田弘さんの火山学者としての自伝が連載されました。地域の減災を願って観測と科学者としての社会的責任に心血を注ぎ噴火の現場で奮闘された姿に敬服しました。
連載は、生い立ち、火山学者として2000年噴火に立ち会うことになった経緯、2000年噴火の対応、復興期の地域振興で構成されています。

一番驚いたのは、10年前の2000年だけでなく1977年の有珠山噴火を始め、1985年の十勝岳噴火など当時の状況が生き生きと語られていることです。フィールド研究者として現場第一を貫いたため、危ない目に会いながらも、当事者しか知りえない事実を詳細に記録し、備えの素材を残すことは自分の使命と考え、きちんと検証し次の災害に備えようという考えに感銘をうけました。積雪時の噴火による融雪泥流の怖さも知りました。また、2000年の噴火では犠牲者は出なかったものの危ない目にあった人達もいたそうです。

研究者になりたての頃に統合的な地球観のプレートテクトニクスに遭遇後、観測技術の進歩、データ分析用のコンピュータの進歩、遠隔データ通信の進歩の恩恵を受けて、精密な観測データを広域にリアルタイムに観測できるようになりましたが、避難には多くの人が対象になるため、噴火に際しては今後の推移についてシナリオを描くこと、避難解除の時期決定の支援をすることでは慎重さと難しさがあるそうです。
第一線の火山学者はどんなときでも連絡できるようにしています。自分の意思でゆっくりとくつろげない生活を送ってこられたおかげで多くの住民の命が守られてきたことに感謝します。

1985年に21,000人の犠牲者を出したコロンビアの火山の噴火を契機として研究者としての社会的責任を感じるようになったようです。研究者が分かっているだけでは減災できない、行政や住民が理解して行動することによって初めて減災できるからです。

火山と共に生きるには、防災面だけでなく、火山を良く知り、ハザードマップなどで災害に備え、ジオパークを巡る新しい火山観光などを楽しむ、地域で行動し地球の視点で考えよう。


あなたにおススメの記事

同じカテゴリー(中嶋)の記事
 DVDディスクに書き込めた (2024-03-15 21:32)
 見通しが良くなった!生活道路 (2024-03-04 18:13)
 ピンからキリまで (2024-02-27 15:42)
 札幌雪祭りー多彩な雪像に感動! (2024-02-10 13:15)
 二つの嬉しかったこと (2024-01-25 15:51)
 スマホデビュー (2024-01-03 14:23)

Posted by 中嶋 at 19:31│Comments(0)中嶋
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
岡田弘北大名誉教授の自伝
    コメント(0)