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2011年12月04日

東日本大震災の被害・対応と心のケア

12月1日、札幌エルプラザで北海道建築技術協会主催の標記の講演会が開かれ、建物の地震・津波被害と震災後の対応だけでなく心のケアまで幅広く紹介されました。実際に被災地に行って状況を確認し、アドバイスしたり、課題を見つけてこられました。

北海道建築工房の小室雅伸氏は「震災から学ぶ建物の丈夫さと居住性能の価値」
・耐震補強していない古い木造の建物の被害が大きい。内部結露で土台などの腐れが大きな原因
・建物は壊れなかったが暖房設備は使えなかった。無電力でも住まえる断熱・気密の建物が必要
・旧態依然の仮設住宅仕様なので寒さに弱く追加工事が発生。過去の試練から学ぶことが必要
住まえる・使える居住環境性能が備わった建物が「建築」であるという想いに共感しました。

北大の緑川光正教授は「建物の地震動・津波被害」
・地震動による被害
 大きな震度の割りに建物の被害が少なかったのは、短周期が卓越した地震動であったため
 内外装材や天井材などの非構造被害が多かった
 地盤が盛り土や谷埋めなどの場合、斜面崩壊や液状化による被害が目立つ
・津波による被害
 RC・鉄骨造建物が残存し木造建物が流出したのは柱脚の緊結度の違いによる
 流出物の衝突による被害を受けた建物が多い
 内外装材は被害を受けているが主要構造部材はあまり被害を受けていない

北大の岡田成幸教授は「間違っている人的被害軽減化政策」
・住宅の耐震化率の向上対策
 人的被害が起き易い建物を段階的に改修する
・家具の固定率の向上対策
 大地震では建物の揺れで固定用具も外れるので家具の固定だけでなく家具の配置など多重防御
 揺れで室内が散乱することによる負傷を回避するリアルタイム避難誘導ロボットシステムを開発中

室工大の前田潤准教授は「大震災におけるこころのケア活動の展開」
日本赤十字社が展開したこころのケア活動に参加して
・災害ストレスは、危機的ストレス、避難ストレス、生活再建ストレスなど多層的
・被災者だけでなく、支援者にも災害ストレスはかかってくるので支援者のこころのケアも必要
・傾聴と共感、支援者が側にいることが被災者にとって安心
・安否確認、水や食料の提供、トイレなどの衛生管理、住環境の整備、コミュニケーション、医療支援
・課題は関係する組織間の調整

今回の大震災の教訓を検証し、建物やまちづくり、コミュニティのあり方に反映したいものです。
   



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Posted by 中嶋 at 17:47│Comments(0)中嶋
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