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2012年05月04日

中谷宇吉郎没後50年記念講演会

4月28日、北大総合博物館で標記の講演会が開かれ、雪博士と知られる中谷宇吉郎元北大教授の熟年ファンが大勢詰めかけました。

最初に菊池勝弘北大名誉教授が「中谷宇吉郎の雪結晶の分類とその変遷」と題してエピソードを交えながら体験されたことを面白く話されたので、会場から幾度となく笑いがこぼれました。先生はとても気さくで学生時代に北大の植物園に連れて行って講義してくれたこともありました。卒業後に初めてお会いしましたが、年齢を感じさせないエネルギッシュな話しぶりでした。中谷先生や孫野先生との交流のお話しは「そうだったのか」、「そんなこともあったのか」と先生方に信頼されて可愛がられていたことがよく分かりました。

中谷先生が観測と人工雪実験に基づいて創られた41種類の「中谷ダイヤグラム」を孫野先生が「雪結晶ゾンデ」を開発して上空の雪の結晶を採取して81種類の「気象学的分類」に発展させました。菊池先生は南極や北極を含む世界中の雪の結晶を採取し、新たな雪の結晶を多数発見しました。
最初はなかなか認知されませんでしたが、2009年に日本雪氷学界の有志でそれら極域のデータも含めた「グローバル分類」を完成させました。その成果は北海道新聞社から「雪の結晶図鑑」として発行されています。最近は常温の室内でも雪の結晶を作り出せる人工雪発生装置ができたそうです。それでも実際の雪の結晶を現場で観察することは重要ですと話を結ばれました。

続いて中谷宇吉郎の出身地である石川県加賀市にある「中谷宇吉郎雪の科学館」の神田健三館長が「中谷宇吉郎没後50年と雪の科学館」と題して、雪の科学館のこれまでの取り組みと今後の企画について話されました。実は4年前に富山で大学の同期会を開催したとき、雪の科学館を訪れて神田館長から説明を受けていたので、4年ぶりの再会となりました。中谷宇吉郎の随筆や墨絵などにも造詣が深く、中谷宇吉郎の人間像を紹介するため「中谷宇吉郎と高野與作」を開催しています。秋には「中谷宇吉郎と寺田寅彦」を開催する予定とのことで興味がそそられます。中谷宇吉郎は実用面でも役に立つ業績を残しています。鉄路が凍上によって不均質に曲げらる問題を解決しました。戦時中は航空機の着氷実験にも取り組まれました。北大総合博物館とも連携して雪の科学館での取り組みを紹介する一環として「雪のデザイン展」で入賞された作品の展示が予定されています。

会場の最前列には樋口敬二名古屋大学名誉教授も座っていました。先生は中谷宇吉郎の指導を受けるため北大でも務めていました。2人の講演の後に温かいコメントをしてくれましたが、かくしゃくとしていました。


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Posted by 中嶋 at 19:51│Comments(0)中嶋
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