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2016年12月19日

良心を貫く生き方

12月11日(日)14時から北海道大学工学部フロンティア応用科学研究棟で、
「宮澤・レーン事件を考える会」、「ビー・アンビシャス9条の会・北海道」共催の
「構成劇と講演のつどい」が開催され、会場は380名の人達で埋め尽くされた。
事件の名前だけは知っていたが、講演だけでなく宮澤さんの生涯を辿る構成劇
の上演があるというので参加した。

事件は1941年12月8日、太平洋戦争開戦の日、北大生の宮澤弘幸さんが北
大の英語講師でアメリカ人のレーン夫妻に軍事機密を漏らしたとして軍機保護
法違反で検挙された。
罪を認めれば刑が軽くなると弁護士が諭したものの、自分の良心に従い「やって
いない」と叫び続けた。その軍事機密とは、宮澤さんが旅行で見た「根室の海軍
飛行場」のことであるが、既に新聞などで公になっていた。それにもかかわらず、
懲役15年の重い判決を受け、網走刑務所で服役。1945年に釈放されるが、
刑務所生活で衰弱し、1947年、27歳の若さで亡くなった。

構成劇の演出は乳井有史(全国高等学校演劇 協議会顧問)、出演者は宮崎さ
ん役の北大1年生と北大OB・OGの演劇未経験者が主体、友情出演は劇団一揆
とバックコーラスを務めた北海道合唱団。
舞台セットはなく、シンプルな朗読劇だが、当時の人物になりきって、魂のこもったこ
とばがビシビシと伝わってきた熱演に観客席は感動に包まれ、涙する人も。
劇が終わると、一番前の席で鑑賞していた老婦人がスッと立ち上がり、凛とした姿勢
で演技者と観客に感謝のことばを述べた。老婦人は宮澤弘幸さんの妹で米国に住む
秋間美江子(89歳)さんだった。「事件が起きてから75年間、ずっと兄は悪いことはし
ていないとの思いを抱き続けてきた」、「同じような悲劇を繰り返さないため、今後も事
件を語り継いでほしい」。家族の長く辛い思いに心を寄せるとジーンとしてきて泣ける。

ごくごく普通の若者、将来の夢の実現を目指して、いくつもの外国語と文化を習得しよ
うと、外国語講師と交流していた。今の時代に生きていれば、グローバル指向があり
行動力もある頼もしい青年として青春を謳歌していたに違いないと思うと不憫だ。
戦争していなければ、軍機保護法が施行されていなければ、起きなかった事件。
一旦、施行されると適用範囲が広がり、宮崎さんの逮捕につながった。
この事件を過去の事件として葬り去ってもいいのだろうか。
今の時代も同じような法律が施行されているし、されようとしているものもある。
このまま無関心のままでいると、近い将来、宮澤さんと同じようなことが繰り返される
かもしれない。


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Posted by 中嶋 at 15:30│Comments(0)中嶋
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