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2017年05月01日

須田勝彦北大名誉教授の逝去-家族手作りの温かな葬儀-

須田 勝彦北大名誉教授が4月25日、肺炎のため入院先の病院で
亡くなられた。
須田さんとは北大の同期で、同じ音楽サークルで共に活動したので、
悲しい知らせを聞いた時は驚いた。今年の年賀状では家族やお孫さ
ん達に囲まれた幸せそうな写真を見られたのに・・・。まだ71歳、
早過ぎるよ!

4月27日の通夜にはサークルOB・OGの3人と共に出席した。
受付をすませると、小さな可愛らしいお孫さんが傍に来て、想い出
の資料を手渡してくれた。奥様の心のこもった紹介文によると、
北海道大学での最終講義の様子を特集したものとのこと。こんな貴
重な資料がさっと取り出せるなんて凄い! 普段から夫婦間の意思
疎通がなされ、夫の仕事の良き理解者であったに違いない。

式場には北大総長をはじめ教育関係者の花輪が多かった。
式が始まる頃になると、150名以上の会葬者で式場は一杯。定年
退職してから8年も経つのにこれだけの人が集まるというのは、
須田さんの人徳もさることながら、須田さんを慕う幅広い人達との
温かな交流があったからだと思われる。

僧侶による厳かな読経の途中から焼香台が回された。法話が終わると
ご長女がお父さんの経歴と業績を紹介。葬儀委員長か司会者がなさ
れるものと思っていたので驚いたが、それが凄く良く感激した!
ご自身の言葉でしたためられたお話は、通り一遍の紹介とは違い、
身近に接していた家族だからこそ気づけたこと、共感したこと、誇
りに思っていることをエピソードを交えて堂々と話された。時折、
感極まって涙声になることもあったが最後まできちんと話された。
須田さんが北大の教職に就いてからも新年会などにときおり参加し
旧交を温めたが、教育にこれほど情熱を注いでいたとは知らなかっ
た。もっと聞いておけばよかったと悔やまれる。

専門の教育方法論の研究に留まらず、小中高のみんなに学ぶことを
好きになって欲しいという願いをもっていたので積極的に実践し、
その反応を研究に活かすといういいサイクルを回していた。特に数
学教育に関心をもち、全道の小中高大の教師・学生・保護者と共に
北海道地区数学教育協議会(道数協)では中心となって、「質の高い、
楽しくわかる算数・数学」の研究と実践を重ねてきた。
須田さんの授業は、枠にとらわれず、子供たちの目線にたって教材
や教え方を工夫した手作り感溢れる授業だったそうだ。

式が終了し退席する時、ご遺族が入り口に並び、一人一人に気丈にお礼を
述べていた。「元気出してね」と励ましのことばをかける人もいた。
もっと生きたかったと思われるが、立派な生きた証を残された。きっとその
思いは仲間たちや教え子によって受け継がれていくと思う。家族や孫たちに
囲まれて幸せな生き方をされたのではないだろうか。
須田さんとの出会いに感謝します。ありがとう。ご冥福をお祈りします。



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Posted by 中嶋 at 14:12│Comments(1)中嶋
この記事へのコメント
同じ地域に実家があります。
おそらく、勝彦さんの奥様に「純ちゃん」と仰って頂けるとお判りになるかと思いますが、勝彦さんと父「純ちゃん」は従兄弟です。私はその娘です。
本日、実家に行きましたところ、勝彦さんの本が置いてありました。
凄く研究熱心で…きっとお父様譲りなのでしょう。
私の父も先月他界致しました。
きっと、須田の叔父と叔母、私の祖父母、勝彦さんやその兄弟と再会し、思い出話に花が咲くのかな?と。
もう一年以上経ちますが、心温まる記事を綴って下さり、有難うございました。
Posted by はじめまして at 2018年08月20日 22:51
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